スペシャル対談 第4

春日武彦先生
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かづきれいこ

人生100年!メイクで美しく健康に

精神科医として人の心身の健康を診てきた春日先生に、コロナ禍で身近になった美容整形について、またメイクでこそ叶えられる健やかな美について伺いました。

スペシャル対談 第4弾 春日武彦先生×かづきれいこ 人生100年!メイクで美しく健康に

春日 武彦 先生

精神科医、医学博士。成仁病院名誉院長。公益社団法人顔と心と体研究会の理事も務める。

美容整形は引き返せない、その重大さをよく考えて

かづき
春日先生には、養成講座や私が理事長をつとめる公益社団法人の「顔と心と体研究会」の理事もお務めいただいております。もう20年近いお付き合いになりますね。
春日
カルチャーセンターでお目にかかったのが最初でした。かづきさんがボサボサだった僕の眉を感じよく整えてくださり、画期的で感激したことを覚えています。眉を整えるだけで堂々とした気持ちになれるんだ!と、メイクの力を実感したのもこの時です。
かづき
当時はまだ男性が眉を整えるのがめずらしい時代でしたね。今では男性も眉カットやメイクを楽しむ方が増えてきました。一方で男女問わず気軽に美容整形に踏み出す方も増加しています。精神科医としてのお立場からご覧になって、最近の美容整形をとりまく状況をいかが思われますか?
春日
美容整形という選択は、もちろんあっていいと思います。しかしながら、僕が警鐘を鳴らしたいのは〝美容整形は引き返せない〟ということです。それがどれほど重大なことなのか、きちんと考えられているのか気になります。
かづき
人から見て何もおかしくないのに、「この目は変」「やっぱりここも直さなくちゃ」などと繰り返す人もいます。いつの間にか〝整形をすること〟が目的になってしまっている方を見ると、心配になりますね。
春日
目や鼻など、特定のパーツだけを気にして苦しんでいる方は、全体のバランスを見るようにしてほしいです。若さだったり、その人らしい個性だったり、せっかく持っている美しさにも目を向けられるといいのですが。整形を繰り返すうちに〝自分らしさ〟や〝ほどほど〟という落としどころを見失ってしまうのも、とても残念です。「このくらいでいいな」と心を取りなすすべを持っていないと、いつもどこか満たされず、空虚感を抱え続けることになりかねません。

時代を問わず好まれるのは〝若々しくて元気な顔〟

かづき
特に若い方は「今がよければいい」と安易に考えず、50、60になったときの自分も想像してみていただきたいのです。人は5年も月日を重ねれば変わりますから。整形を繰り返すうちに、実年齢の心と折り合いがつかなくなって悩んでしまうこともありえます。
春日
世間では〝プチ整形〟という言葉もありますね。否定はしませんが、そこで改めて見直したいのが、かづきさんが提唱するリハビリメイクの力です。一度受けたら戻せない整形と違ってメイクならいつでもその時の自分に寄り添ったアプローチができますよね。
かづき
おっしゃるとおりです。たとえば、平安時代と今の美人では美の基準が異なりますが、どの時代でも関係なく人が魅了されるのは、若々しくて元気な顔です。明るく健康的に笑う人はいわゆる〝美人〟でなくても、華のような美しさを放っていますよね。
春日
たしかに。きっと内側から自信があふれて輝くのでしょうね。ところで、僕は以前、占い師の方に自分の悩みをさらけ出したことがあるんですが……。「物心ついたときから不安じゃない日はない」と話したとたん、はからずも泣いてしまいまして。自分のことを受け止めてもらえるのはいいなと思いました。リハビリメイクにも通じるものがありますね。
かづき
リハビリメイクは受講される方のお悩みを聴きながら行いますので、お気持ちに合わせて微調整もできます。そうして、ご自身が納得されれば技術の習得につながっていきます。

※イメージ

 

心が煮詰まらないように今の気持ちを言葉にする

春日
そうなんですね。誰でも心を見つめず曖昧なままにしておくと煮詰まってしまいますからね。人に話を聞いてもらうことはとても大切です。「相手がいない」ときは、ゆっくりと今の気持ちを書いてみたり、〝やりたいことリスト〟を作るといいですよ。
かづき
気持ちを整理できず、自分のことを人まかせにすると不安になりますものね。自分のことをよく見つめて理解していけば、良い方向に変化していきます。メイクも一緒。急に〝きれい〟を作るのは難しいけれど、早いうちからメイクを学べば、自分の欠点を理解した上で満足のいく顔を自分でつくれるようになります。
春日
気に入ったメイクをできれば、自信にもつながりますね。自信を持って生きれば、ものごとは結構うまくいくものです。
かづき
メイクは嫌なら落とせばいいし、毎日「眉をどうしよう?」なんて悩みながら描くことは、脳の活性化にもいいんですよ。特に年を重ねた大人の方にとって、メイクはただ〝きれいになる〟ためのものではなくて、心身の健康につながるもの。今は人生100年の時代ですから、メイクは健やかに人生を楽しむための大切なテクニックなんです。
春日
自分らしくメイクを楽しんで、かづきさんのように美しくパワフルでありたいものですね。
かづき
まぁ、恐れ入ります(笑)

取材・文/フルサワミキ 撮影/塚田栄一(イメージ写真は除く)

春日先生ご著書のご紹介

こころの違和感 診察室 しっくりこない自分と折り合いをつける方法

こころの違和感 診察室
しっくりこない自分と折り合いをつける方法

焦る、おどおどしてしまう、不安だ、など「こんなはずじゃなかったのに!」と思った時に読む33章の処方箋。日頃感じるこころのままならない状況をどう理解して、折り合いをつけるべきか。春日先生からの丁寧な考察・アドバイスにあふれた一冊です。

 

税込935円(河出書房)

 

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春日武彦先生 プロフィール

春日武彦先生

1951年生まれ。日本医科大学卒業。医学博士。産婦人科医として6年間勤務したのちに、精神科医に転向。東京都立松沢病院精神科部長、都立墨東病院神経科部長などを経て、現在は成仁病院名誉院長。公益社団法人顔と心と体研究会の理事も務める。

※役職は対談当時のものです。
対談:2022年11月

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