リハビリメイクの現場から

Vol.15 大阪・関西万博にてリハビリメイクの体験ブースを出展いたしました

リハビリメイクの現場から vol15

薬に頼らずに自らの手で元気を取り戻す。未来医療に”メイク“という選択肢を

2025年5月4日(日・祝)から10日(土)までの1週間、大阪・夢洲(ゆめしま)で 開催された大阪・関西万博「未来医療エリア」にて、リハビリメイクの体験ブースを出展。
今回の展示は、万博が掲げる「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、国際赤十字・赤新月運動が主催する「ギャラリーWEST」の一角で行われました。
 

リハビリメイクの現場から vol15

外見ケアが、心と社会をつなぐ新しい医療に

会場は「未来の野外診療所〜ゼロ・エミッションの災害医療〜」をテーマに構成されており、医療と環境の未来を見据えた空間の中で、リハビリメイクをご紹介する貴重な機会となりました。
「メイクが未来医療に関係あるの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。けれど、リハビリメイクは、病気やケガ、加齢などのお悩みにそっと寄り添い、その人本来の魅力を引き出すことで、心身の回復や生活の質(QOL)の向上につなげる新しいケアとして、医療や福祉の現場でもご注目いただいております。
 

リハビリメイクの現場から vol15

日常を取り戻すきっかけとしてのメイク

実際に、外見のお悩みによって気持ちが沈んでしまった方が、自分の手でメイクをすることで、「外に出てみよう」「誰かに会いに行こう」と思えるようになることも。
そんな小さな変化が、社会とのつながりを取り戻す力につながるのではないでしょうか。
今回の万博では、私たちがこれまで行ってきた高齢者施設でのメイクボランティアや、東日本大震災における被災地支援の取り組み、そしてリハビリメイク外来の様子を、動画やパネル展示を通して多くの方にご紹介することができました。
また、メイクブースも設け、期間中は延べ600名の方にリハビリメイクをご体験いただきました。
 

リハビリメイクの現場から vol15

現場から届いたエピソード

ゴールデンウィーク中はご家族連れの方が多く、会場はにぎやかで、あたたかな雰囲気に包まれていました。
中でも印象的だったのは、お母さまがメイクを受けている間、ご家族がそばで見守り、仕上がるにつれて皆さんの表情に自然と笑顔が広がっていく様子。
「お母さんが元気だと、家族もうれしい」-そんな光景に、胸が熱くなる思いでした。
また、ほかのパビリオンの待ち時間にたまたま立ち寄られた女性は、「ケロイド体質で悩んでいて、どこに相談したらいいのか分からず、不安でした」とメイク後にお話しくださいました。
実際にメイクで赤みがカバーされた姿をご覧になって涙ぐまれる瞬間も。その後、治療の選択肢についてお伝えすることもでき、医療につながるきっかけとなったことを、嬉しく感じるとともに、大きな励みとなりました。
 

リハビリメイクの現場から vol15

<体験した方々からの届いたお声をご紹介>

「男性でも元気な顔が大事ですね」
たるみや顔色を気にされていた40代の男性が、テープとマッサージのあと、「男性も女性も、やっぱり元気に見える顔がいいんですね」と笑顔でお話しくださいました。
 
「母にも体験させたくて」
数日前にテープ体験をされた50代の女性が、「とてもよかったので母を連れてきました!」と再びブースを訪れてくださいました。お母さまも体験され、「ここのブースが一番よかったです」と嬉しいお言葉をいただきました。
 
「これなら前髪を上げられるね」
おでこに傷あとがある小学生のお子さまがリハビリメイクを体験された際、お母さまが「これなら前髪を上げられるね!パパにも見てもらおう!」と笑顔でご家族で喜びを分かち合う様子がとても印象的でした。

未来へ。リハビリメイクがひらく、これからの可能性

リハビリメイクは、年齢や性別に関係なく、誰もが持っている「その人らしさ」を引き出す力を持っています。
他者の力に頼らず、自分の手で行えるからこそ、セルフケアとしての価値があり、医療や介護の現場でも少しずつニーズが広がっているのではないでしょうか。
人生100年時代を迎えた今、見た目だけでなく、心も前向きに保つことは私たち一人ひとりにとって大切なアンチエイジング。
今回の万博を通して、リハビリメイクの取り組みをお伝えする場をいただけたことを、スタッフ一同感謝の気持ちで一杯です。
これからも、美容・医療・福祉の枠をこえて、リハビリメイクが「生きる力」をそっと支える存在として広がっていくよう、活動を続けてまいります。

リハビリメイクを受診されたい方へ

提携医療機関およびREIKO KAZKIサロンにて定期的に実施しております。
完全予約制となりますので、詳細は各機関にお問合せください。

リハビリメイクのご相談・開催拠点
医療関係者の方へ

リハビリメイクの効果をより明確に提言するため、患者本人の主観評価を測るスケールを用い調査を行っています。症例数4,850名(2024.3末時点)におよぶデータを集計し、これを元に様々な学会で発表、論文執筆を行っています。

医療関係者の方はこちら