リハビリメイクの現場から

Vol.04 足の赤いあざは、神様がくれた印

REIKO KAZKI講師 西奈まるか

レザー治療の中止を決断!

昨年、夏の暑い日、大阪サロンに小学校3年生のMちゃんがお母様と一緒にリハビリメイクにいらっしゃいました。Mちゃんは、ひざから下に赤いあざ(血管種)があります。生後6ヶ月の幼い頃からレーザー治療を始めて、すでに8回の治療を受けていました。治療に同行しているお母様は、あまりの痛さに叫ぶMちゃんがかわいそうで、体への負担も心配でした。それに加え、治療後ガーゼを当ててすごす期間中、お友達からいろいろ聞かれることもあり、Mちゃんが戸惑っているようすも気がかりだったといいます。悩んだ末に、いったん治療の中止を決断。あとはメイクで少しでも目立たなくなれば…というお母様の熱い想いが伝わってきました。

 

赤いあざをイエローファンデーションの下地やファンデーションでカバーしたところ、お母様は「こんなにきれいに目立たなくなるんですね。水にも強くくずれにくいなら、水泳の授業も受けられます」とホッとした表情に。鏡の前に立って足を見たMちゃんもニコっと微笑んでくれました。そして、お母様がいつでもMちゃんにメイクができるようにレッスンをし、ちょうど終わりに近づいた頃、静かにこうおっしゃいました。

 

「実は、この子は双子で生まれてきたのです。もう一人の男の子は仮死状態で生まれてすぐに亡くなりました。この子はそれを知って『きっと神様が生まれてくるはずだったその子の分も、って私の足に印をつけてくれたんだね。だから、別に、このままでいいよ。』と言うのです。その思いをよらぬ一言は衝動で母親の私が否定してはいけないのだと気づき、受け入れることができました。」

 

Mちゃんを見ると少し恥ずかしそうに口を結び、小さくうなずいています。小学校4年生で“神様から印をもらった”と思えるMちゃんがとても頼もしく大きく見えました。

メイクで心の負担を取り除く

リハビリメイクは外観をカバーすることを目的をしていません。本人が気になるときだけメイクをして、心の負担を取り除くことができればいいのです。メイクをして、あざのないMちゃんの足を生まれて初めて見ることで、お母様も心にしまっておいた辛い気持ちの扉が開かれ、前向きにお話してくださったのだと思います。私自身、子どもを持つ母親として、そんなお母様に深く共感しました。

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