リハビリメイクの現場から

Vol.03 老いと闘いながら、受け入れる。メイクはアンチエイジング健康法

眉はディートリッヒにして!

私たちは、10年ほど前から特別養護老人ホームなどでボランティアをさせていただいていますが、メイクは心も体も元気にする女性の本能や老化防止のひとつなんだなあと実感させられる場面によく出合います。メイクする前と後では、表情はもちろん、話し方や立ち居ふるまいまで、大きく変わることがあるのです。

 

たとえば、認知症が進んで家族の顔もわからなくなっている方が、「アイラインは目尻から三ミリ上げてね」とか、「眉はディートリッヒにしてちょうだい」などと言い出すことも。ときには、途中でスタッフの手から眉ペンシルやリップブラシを取り上げて、自分の手でやり始める方もいらっしゃいます。

 

きれいにメイクをして、人の目を意識することで気持ちがしゃんとし、元気がでてくるのだと思います。逆に、いつもおしゃれに気を遣っていた方が、病院や老人ホームに入ったとたん、お化粧を禁じられ、地味な寝巻きを着せられたとしたら、頑張る気力が失せてしまうのではないでしょうか。

早くおばあちゃんになりたい

鏡の中の自分をきれいだと思えるのは、女性が元気でいるためにとても大切なこと。シワやシミのある自分は、誰だって受け入れたくないものです。しかし、リハビリメイクを習いにきた手にやけどの痕のある少女が、こんなふうに語ったことがありました。

 

「私、早くおばあちゃんになりたいんだ。シワだらけのおばあちゃんの手なら、傷も気にならない。私の手も特別じゃなくなるでしょう」

 

誰もが避けたい老化というものが、彼女にとっては「救い」だったのです。シワやシミをひたすら嫌がるのはおかしいのかもしれない…。この言葉を聞いて私は考えました。

 

考えてみれば、シミは今まで元気でお日様の下を歩いてこられた証拠だし、シワがあるのは楽しい瞬間がたくさんあって、思いっきり笑うことができたから。シミやシワを『ありがたいなあ』と思いながら、それらが目立たなくなるように一生懸命メイクをするべきなんじゃないか、と思うようになりました。

 

老いを受け入れながら、今の自分らしい美しさを発見していくこと。それがリハビリメイクの大切な役割なのかもしれません(かづき談)

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