リハビリメイクの現場から

Vol.02 もう隠さなくても大丈夫

リハビリメイクは、女性だけでなく、もちろん男性にも適応されます

名古屋市で開業する歯科医・Yさんの場合は、血管腫という病気で、顔の右側のあごや頬、首にかけて赤黒いあざがありました。診察中は大きなマスクをかけていることもあって気にならないのですが、外出するたびに他人の視線を浴びることや、家族や知人に気を遣われることに、いつも疲れを感じていたといいます。10数年前、愛知県内で開かれた講演会がきっかけでリハビリメイクを知り、その1ヵ月後、奥様と共に東京サロンに来られました。かづきが手早くメイクさせていただいたところ、Yさんは「化粧しているという違和感がない」と、とても喜んだご様子で帰っていかれました。

 

名古屋の自宅に戻ったその夜、当時70歳を過ぎていたYさんのお母様が首を長くして待っていました。Yさんの顔をじっと見ていたかと思うと、お母様は「あざが全然わからなくなった」と言って、涙を流して喜ばれたといいます。奥様は、後にこうおっしゃっていました。「義母が涙を見せるところを初めて見ました。それまでは、気の強い義母を少し苦手に思っていたのですが、強くなければ、夫をここまで育てあげることはできなかったんだな、とわかりました」。気丈なお母様は、実は息子のあざのことを誰よりも心配されていたのです。Yさんは「母にあざのない顔を見せることができたのが、一番の孝行でしたね」と語りました。

 

その後、Yさんはメイクをして気軽に外出するようになりました。「いつでも隠せるという安心感があるから、人の視線が前ほど気にならなくなりましたね。あざのことを自分から口に出し、冗談も言えるようになったので、妻や子供との関係も変わりました」とYさん。奥様もその変化に驚きます。

 

日本の社会は、外観にトラブルをもつ人に対して、決して温かいとはいえません。他人の視線は、無言のプレッシャーを与えるもの。それをはねのけて生きてこられたご家族の、痛切な思いを実感させられる出会いでした。リハビリメイクは、プレッシャーから開放し、元気に生活するためのひとつの手段。私たちはそう考えています。

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