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神主様からのおことば
第1回「御朱印には<有事人生>という言葉を」
コラム

2022/04/28

リハビリメイクともご縁の深い於岩稲荷田宮神社(東京都新宿区左門町) 神主 栗岩英雄(くりいわ ひでお)さんよりいただいた素敵なお話をご紹介いたします。
都立小学校校長・幼稚園園長などを長らく務め、今なお日本国語教育学会常任理事など教育者としてご活躍中の神主様の心に寄り添うメッセージをお届けいたします。

於岩稲荷田宮神社
 

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第1回「御朱印には<有事人生>という言葉を」

御朱印
御朱印

於岩稲荷田宮神社では御朱印には神社名だけではなく、「有事人生」と書いてさし上げています。
誰でも生きていくためには必要な「覚悟」を含む言葉であるからです。
家庭人としても勤め人としても友人たちとコミュニケーションを楽しむためにも、そのおおもとには大事な心構えがなくてはいけません。
 
「有事人生(事有るが人生)」という言葉は私の大学時代の恩師で、東京学芸大学国文科教授の米津千之(よねづ せんじ)先生からいただいた言葉です。
米津先生は政財界・アスリートをはじめ、各界の頂点を極めた幾多の人々が「生涯の師」として心服する哲人・中村天風(なかむら てんぷう)先生の高弟であり、
天風先生亡き後、東京都練馬区内で「芋洗い塾」の塾長として多くの塾生より敬慕されていました。
「有事人生」は、大人でも子供でも、どんなに偉い人でも、権力者でも、普通の人でも、弱者でも同じように誰にでもやってくる人生問題なのです。
 
人が生きていく時、その道程では誰でも次々にいろいろな出来事に出会い、それは避けることができません。
自分のこと、家族のこと、親戚・縁故者のこと、友人のこと、学校でのこと、地域でのこと、勤め先のこと、国民としてのこと、世界のこと、
地球・宇宙のこと・・・際限はないのです。
 
「事」つまり「出来事・トラブル」には様々な場所でいろいろな形で出会いますが、それを嫌がったり、恐れたりしてはいけません。
前向きに受け止め、積極的に乗り越えていく意気込みや覚悟が大事です。
そのような生き方が「力強く値打ちのある人生経験」となり「生きている証(証拠)」なのです。
その中で、身近な人々や友人たちとの「助け合い・語り合い・協力・親切」などを忘れてはなりません。皆さんの人生が豊かになるのです。
 
私は、教師になって、学校長になって・・・何時も子どもたちや父母たち、所属職員たちに「有事人生」についてお話をし、
今は神主として語らい、御朱印に書かせてもらっています。
 
それでは、次回から実際に、例えば「語り合い」はどうしたらよいか、友人からの相談はどう受け止めたらよいのか・・・などをお話ししましょう。
 


於岩稲荷田宮神社 神主
栗岩 英雄(くりいわ ひでお)さん

東京都出身、昭和4年生まれ。「於岩稲荷田宮神社」神主として神職に仕える以前は、都内数多くの公立小・幼稚園の教諭、校長、園長を歴任。
千代田区立錦華小学校、幼稚園(現お茶の水小学校・幼稚園)を最後に41年間にわたる教職生活を定年退職。
国語科教育を専門とし、全国ならびに東京都小学校国語研究会会長を務め、千代田区教育委員会教育委員・委員長、日本国語教育学会常任理事・広報部長を歴任し、都や国から数々の表彰を受ける。
現在も東京都神社庁中央支部所属信仰者役員代表(総代)、日本国語教育学会常任理事、学校法人竹早学園「教員・保育士」養成所理事及び臨時講師、日本児童教育振興財団理事をはじめ、など役職を多数務めるほか、都内各地の小学校研究会の講師として150校以上の現場教育の指導や保護者対象の講演を行うなど日々ご活躍中。
 
●受賞歴
1956年 東京都知事・善行賞受賞
1987年 博報賞(国語教育)受賞
1990年 東京都教育功労賞を受賞
1994年 日本教育連合会「教育研究賞」を受賞
1997年 郵政大臣感謝状を受ける(天皇・皇后両陛下に拝謁を賜る)
1998年 千代田区政功労賞表彰
2000年 簡易保険特別功労賞(第38回諸井賞・全国受賞者14名)を受ける
2009年 平成21年春の叙勲「瑞鳳双宝章」受章(天皇陛下に拝謁を賜る)

神主様からのおことば 第2回「よき聴き手、よき話し手」になろう。 神主様からのおことば 第3回「有事人生」に生きるむずかしさ

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